DPI広告に個人的に対抗する「アバター方式」及び郵政復活の道

企業にDPI広告を未来永劫禁止し続けることは不可能だと思います。そこで個人側の対抗策として「アバター方式」というものを考えました。
ネット上を動く情報が,アバターという匿名の架空の分身のものである場合,その履歴などの情報に関しては,企業側は自由に情報収集や宣伝広告を行えるようにするのです。そして郵便局が個人とアバターとの紐付け情報(対応表)を一元的に厳重に管理するのです。さらに郵便局にアバター名義の口座とアバター名義の私書箱を設置することで,情報だけでなく,お金や現物の流れ全般において個人情報を保護することが可能となります。またこのアバター口座は、国が国民一人ひとりに開設して、その口座で社会保険料や年金、税金などを一体的に管理する「社会保障個人勘定口座」として、そのまま使えます。
ところで、なぜ郵便局かというと,郵便局員には公務員として守秘義務が課せられていて個人情報漏洩には一定の歯止めがかかっているのに対し,営利目的の民間のISP業者や携帯電話会社などは個人情報を漏洩する危険が常にあるからです。電子メールなど業者には筒抜けかもしれません。企業間の通信も“盗聴”されていない保証はありません。経営が苦しくなった業者にとって“インサイダー取引”という誘惑に抗えるものでしょうか。そのような守秘義務営利企業コンプライアンスに委ねられているというのは一種の社会不安であり,安心できる情報通信環境こそ,国が提供すべきインフラだと思います。
以前のエントリーのDPI(ディープ・パケット・インスペクション)対策にアバターなんてどうでしょうとの違いは,ISP業者や携帯電話会社が直接個人と契約せず,アバターと契約して料金をアバター名義の口座から支払われるようにすることです。そうすれば営利目的の民間企業を個人情報から完全に切り離すことができます。郵便局が再び“国営化”される最大の意義は通信における個人情報を公務員が管理することだと思います。
なお余談ですが,郵便局に設けるアバターの口座の預金にはマイナスの利子を付けるというのはどうでしょう。そうすれば架空の口座をいくつも設けて資産隠しをすることもできませんし,一種の資産課税となり,郵便事業の収益の足しになると思います。
さらに現金と電子通貨を分離することによって,国は新たな財源を生み出すことができます。ここでは仮に電子通貨の単位をe_yenとして,現金のyenとの間に為替レートを設定することができます。そして郵便局がe_yenとyenの交換窓口となれば,その交換手数料を国が徴収することができます。上の図では緑色の矢印が電子通貨e_yenの世界で,紫色が現金yenの世界です。
また電子通貨による商取引の消費税率を現金による消費税率と分離し,電子消費税率を10%に設定するなどすれば,現金取引が主体である生活必需品や食料品などは現行の5%のままなので国民の多くに理解が得られるでしょう。電子商取引の発達により消費者は多くのメリットを享受しています。例えばチケットをネットで購入した場合は,直接代理店に出向いて現金で購入するより安くなります。電子書籍の方が書店で紙の本を購入するより安価です。当然,消費税も安くなります。逆にその分,国は消費税収が少なくなるということです。国が電子化を進めれば進めるほど税収が少なくなるというジレンマです。国民は財政再建にも責任を持つべきで,電子商取引によって得たメリットの一部を国に還元することでこのジレンマを解消することができます。
さらに現在問題となっている高齢者の不在確認も,年金を国が郵便局に電子通貨e_yenで振り込み,本人が郵便局に出向いて現金yenに交換して引き落とすようにすれば本人確認につながるでしょう。