共通番号制の導入障壁を回避する方法

現在、国が導入を検討している共通番号制の問題点で、まず思い浮かぶのは個人情報の漏洩でしょう。この場合の個人とはリアル個人です。リアル個人の情報が一旦、漏洩した場合、回収は絶対に不可能です。もしリアル個人の犯歴や遺伝病などの情報漏洩があった場合、その人の一生が台無しになるリスクがあり、可視化される共通番号制の導入には慎重にならざるをえません。
また、もっと根源的な部分で、個人が国家という組織に完全に監視支配されるという不気味さを感じます。それは、社会的存在である以前に、自然としての存在である人間の本能が警鐘を鳴らしているようにも思えます。国家権力に服従しない個人は、生物としての存在も脅かされるのです。もし将来、極右あるいは極左ファシスト政権ができたら、反対の意見を持つ個人は社会的に、そして生物的にも葬られるリスクを覚悟しなければなりません。このような不安がある以上、国にとって、共通番号の導入障壁は非常に高いと言えましょう。
そこで私はこの問題を回避する方法を考えました。それはWebというバーチャルな世界に、バーチャル個人(アバター)を設定し、それに一意性を持った番号をふってその名前とし、国が監視支配する対象をアバターに限定するのです。通常の考え方では、国はWebを通してリアル個人を監視支配しようとします。その考え方を変えて、国が監視支配できる対象を、あくまでWeb上のアバターのところで止めるのです。リアル個人は一着のアバターを着込んでWeb上で活動し、国や他者からはそのアバターの姿しか見えないようにするのです。そうすればアバターの情報が漏洩しても、リアル個人はそのアバターを脱ぎ捨てることで、被害をそのアバターでくい止めることができます。ここで重要なのは、リアル個人と結びつく紐付け情報をWebから完全に切り離しておくことです。Web上で活動するのは一意性を持った匿名のバーチャル個人というわけです。私はこのアバター名にJibangoにおける時刻番号を推奨したいと思います。
この時刻番号(個人識別番号)は世界で唯一で、同姓同名が無く、一意性が確保できます。可視化され公開される番号ですが、使われる際にリアル個人しか知らないパスワードで認証されるので(パスワードが盗まれない限り)成りすましは困難です。万が一情報漏洩した場合も、別の番号に変更することで、被害を一代のアバターに限定できます。リアル個人の一生は守られます。
このように、国の直接の支配下にリアル個人を置かず、間に着脱可能なアバターというバーチャル個人をワンクッション置いて、個人の側にも、情報漏洩に対抗する手段を持たせることで、共通番号制の導入の障壁が回避できると思います。
また、国とアバターアバターと個人の間の金銭や現物のやりとりに関しては、別のエントリーに提言しました。