社会保障カードの可視化された識別番号について

近い将来検討されている社会保障カードはICチップが内蔵され,個人情報が内部に記録されるはずですが,外部からは一見して誰のカードであるかわからないので,カードの表に名前を書いておく必要があります。しかし実名だと今度はカードの所有者の個人情報が簡単に漏洩してしまうというジレンマが生じます。そこで「可視化(※)された識別番号」が必要になります。
私はこの「可視化された識別番号」に適した「時刻番号」というものを考案しました。それは「年月日時分秒」をつなげた番号で,例えば「19850726131431」というようなものです。国民全員にこの「時刻番号」を割り振ると約1億2千万秒として約4年分になりますが,この4年分の「時刻番号」で国民1人に1番号ずつ重複することのない識別番号を振ることができます。(実際に発行する場合は1秒に1番号を発行するのではなく、PCの処理のスピードで8万個の番号を数分間で発行できます。)
「時刻番号」は認識しやすく,記憶しやすく,音として耳で聞いても分かり,大きな表の中からも特定の番号を見つけやすいなどの利点があり識別番号として可視化に適しています。
社会保障カードの表面にこの「時刻番号」だけを印字し,他の社会的属性(氏名,年齢,住所等)を記述しなければ,本人以外の第3者には誰が所有するカードか分からないので個人のプライバシーが保護できます。
ある個人があるカードの所有者であることは,「時刻番号」と対になった暗証番号を用意し,それをその個人に記憶してもらい,インターネットのホームページでその「時刻番号」と暗証番号を入力してログインできることで証明されるシステムを構築しました。
具体的にはJibangoをご参照ください。
(※)一般に「可視化」された識別番号とは、個人が自分に振られている番号を認識しており、他者もその番号が誰のものであるかを知っている公開された識別番号で、学籍番号のようなもののようです。逆に「見えない」識別番号とは役所や企業の側が一方的に個人個人に番号を振って、振られた本人や他人はそれを知らず、もっぱら役所や企業など番号を振った側が、統計調査などの目的で利用する整理番号のようなものでしょうか。
いずれにせよ、本エントリーは私の「可視化」という言葉を文字通り解釈して誤った結果ひょうたんから駒として生まれたアイデアです。